4月16日(日)  パサディナ



パサディナの町は、日曜日の夕方の為か、既に閑散とした雰囲気だった。
とりあえず、宿を決めなければならない。
モーテル6のディレクトリをみると、このパサディナにもある事が分かった。

簡単な地図と住所を頼りに探すが、これがまた素直に見つからないのよ。
COLORADO BLVD.を東へ走り続けると、いくつかのモーテルが
道沿いに見うけられ、適当に泊まれば良かったのだが、
なぜかモーテル6にこだわっている私がいた。

意地になっていたのよね〜。進めど進めど、モーテル6の看板は見えてこない。
とうとうパサディナを過ぎてARCADIA迄来てしまった。

道には、ルート66の看板まで現れる始末。「あれぇ?おかしいな〜いったいどこやねん」
ふとメーターを見ると、ガス欠寸前。「やばいっ、ガス、入れなきゃ」
適当な信号で広い道に出ると、大きな交差点の所にガススタンドが見えた。

値段を見ると、メチャ安!急いで満タンに入れ、スタンドを出てストリート名を確認。
すると、モーテルと同じストリート名じゃありませんか。
「アハッ、適当に走って見るもんだね」
今まで必死で探していたのは、なんだったんだよ〜!
やっとモーテルの看板を見つける事が出来た。
しかし、こんなに入り込んだ所じゃぁ、分からんわ。一介の旅行者には・・・。

無事に探し出せて、満足じゃ。早速、チェックインを済ませ部屋に向かうが、
カードキーを何度差し込んでも空かないのだ。
「何でぇ〜部屋の番号は間違ってないし、やり方がマズイのか?」
友人が試しても、結果は同じ。

「ん〜もうっ、フロントへ行って来るわ」「部屋のカギが開かないんですけど・・・」
「ごめんなさい、もうこのカード古いからねぇ〜」って、あんた・・・。
カードくらい新しいの買いなさいよと思ったが、愛想笑いをする私。

「もしこれでもダメだったら、こっちのを使ってちょうだい」と2枚のカードを差し出された。
今度は無事にロック解除。
「ああ〜〜〜疲れた!」ベッドに倒れ込む。

しばし考える・・・このままのんびりしても良いけど、時刻はまだ6時前で、日も高い。
「夕食買出しのついでに、ブランドンの家を探しに行くか?」
この誘いに、疲れているだろう友人は、一気にやる気まんまん、復活!!

荷物もそのままに、再び車に乗りパサディナのALTADENAを目指した。
ところが走り出して直ぐに、道を間違える。
嫌な予感がするわ。真っ暗になってから、無事にここまで辿り着けるだろうか?
2人の頭で考えりゃ、何とかなるか。

ALTADENA Dr.は、直ぐに見つかった。
「な〜んだ、以外と簡単じゃん。直ぐに見つかるよ、この通り沿いでしょ?」
これが実に甘かった。「アメリカの住所を、なめるもんじゃぁないわ」とつくづく実感。
番地を頼りに辿って行くが、それらしい家は見つからない。

「おかしいねぇ〜、番地だとこの辺なのに」辺りを見回しても、無いと言う。
「閑静な住宅街と聞いとったけん・・・」「番地は違うけど、路地の方へ入ってみる?」
しかし、それらしい家はない。
道を散歩していたオバちゃんに聞くが、知らないと言うので
また大通りに出て、もう1度走ってみるが見つからない。

結局、この通りを3往復するが、ダメッ!またまた意地になって来た。
もう1度、違う住宅街へ入り、ゆっくりと走ってみるがここも違う。
ごみ捨てに出て来たオニイチャンを捕まえて、すかさず質問。

すると「この住所なら、ここから○○マイルくらい行った所だよ。」と断言したのだ。
「よしっ、もらった!」
車のメーターを見ながら、○○マイル進む。
がっ、「ガ〜ン、この辺ってさっき来たとこじゃん」ウルルッ、またしても空振り。
こうしている間に、日はどんどん傾き、肌寒くなって来た。しかし、友人は燃えている。

「困ったねぇ、これ以上聞くにも人が全然いないよ」
パサディナの治安は、比較的良いと聞いていたが、夕方のこの時間
散歩をする人も、家の回りで遊ぶ子供も全くいないのだ。行き交うのは、車のみ。

明日にしようかと、帰りかけたその時、道の反対側の家のガレージに人が出て来たのだ。
「ラストチャンスだよっ、あの人に聞いてみて」急いで友人を走らせ、再び家に入るのをくい止めた。
アハハッ、スゴイ根性でしょ?後で考えると、あの家の人は驚いたでしょうね。

外に出たら、いきなり道の向こうから、アジア人の女が掛け込んできたんじゃ。
友人がメモしてある住所を、その家のご主人に見せていたら、
奥さんも奥から出て来て私達そっちのけで、「この道を行った方が良い」
「いえ、こっちの方が分かりやすいわよ」と意見が二分。

アハハッ、突然押しかけた私達の為に、ここまで真剣に教えてくれるとは・・・。

「何て親切な人達!」実に頭が下がる思いである。
最終的には、奥さんが詳細な地図を持って来て、説明をしてくれたのだ。
これで完璧に分かったわ。

私達は直ぐ手前まで行きながら、何度も戻ってしまっていたのだ。
その御夫婦に丁寧にお礼を言い、すぐに今来た道を戻る。
もう日は暮れかかっている、急がねば・・・。
山が夕日に染まってきれいだ。

広い道が、木々に囲まれた狭い道になり、静かな住宅地に入った。
突然、友人が叫んだ「あっ、あった!!!ここだっ」
今にも車から飛び降りそうな雰囲気である。

少し離れた所に車を止めて、辺りの様子をうかがいながらその家に近づいた。
私もビバヒルは、1度見たきりだが何となく見覚えがある。「そう、確かにこんな感じだった」

この家には、人の気配は全く無かった。
がっ、普通の民家が密集している為、写真を撮るのは気が引ける。
しかし、友人はここぞとばかりに撮りまくり。
おまけにフラッシュまでたいている。

オイオイ、大丈夫か?誰か飛び出してきやしないかとヒヤヒヤものである。
最後にこの家をバックに、友人の写真を撮って・・・逃げた。
典型的なマナーの悪い、日本人?失礼しました。

そして車に乗り、数メートル進むと「アッ、これディランの家だっ!」またもや友人が叫ぶ。
実際の家まで、こんなに近所とは・・・。
見ると、石造りのこじんまりとした家がログハウス風に建っている。
通りから見る限り、ここも人の気配はないようだが・・・?

友人はすぐに車から飛び降りて、写真を撮り出している。
私も歩道から、2枚ほどシャッターを押す。
すると友人は、写真を撮りながらどんどん奥へ進んで行くではないか。

「オーイ、大丈夫かぁ?」そして、フラッシュをバシャバシャたいている。
「マズイなぁ〜」と思ったその瞬間、「人がおらっしゃって、こっちを向いたとか」と、
小走りに戻って来たのだ。「やばいっ、逃げろ」
がっ、熱狂的なビバヒルおたくの彼女。そんな事でめげやしない。

ちゃんと、ディランの家もバックに入れて記念写真を撮ってから逃げましたとさ。
もちろん、シャッターを押したのは私なのだが、ヒヤヒヤもんよ。ほんとっ!

皆さんも、ちゃんと節度のある行動をしましょうね。反省!!


このビバヒルのロケ地巡りは、ロスからツアーが出ているようだが、
私達のように個人で勝手に行き、勝手に写真を撮ってくるという行為は、
はたしてどんなものなのか?

その是非は定かでないが、最低限のルールは守ったつもりだ。
敷地内には1歩も足を踏み入れてないし、フラッシュをたいたのはまずかったと思うが・・・?

友人は満足げ。
気が付けば、2時間近くもこの辺をウロウロしていたことになる。
サッサと夕食を買いだしして、モーテルに戻ろう。

パサディナのスーパーで、適当に食べ物を買い、外に出るとすでに真っ暗になっていた。
さ〜て、ここから迷わずに無事モーテルまで辿り着けるだろうか?
一応、同じ道を走っていたつもりなのだが、気が付くと見た事のない景色が続きだした。

「アレッ、行きはこんなのなかったよね?」友人も肯く。
やっぱり、やってしまったのね。Uターンじゃ〜
しかし、回りの景色は昼間とは完全に変わっていて、どの道が正しいのか分からないよっ。
アハハッ、完全に迷ったぜ。
「シャーナイ、フリーウェイに乗ろう。その方が、安全だわ」

COLORADO BLVD.とフリーウェイ210号線は、殆ど平行して走っているので、
何となく覚えていたSANTA ANITAで降りる。
すると見覚えのある景色が・・・ガスを入れる時に通った道だ。
ここまでくれば、もう大丈夫。よかったわ〜無事に着いて。

いくら安全なパサディナとはいえ、夜に迷ったんじゃぁ洒落にならん。
しかし、今日も長い1日であった。首は、相変わらず重い。

医者に見てもらいたい気もするが、保険が利かないし時間がもったいない。
やはり仏心を出さずに、ポリスを呼んでおくべきだったのか?
しかし、ポリスを呼んだ所で、医者に行かなければ同じであるし・・・。

医者に行けば、1日潰れてしまうだろうし・・・。
ウジウジと葛藤が続く。友人は平然としている・・・ほんとかよ〜?
「明日の朝は、スッキリしてますように」と願いつつ、ベッドに入った私であった。


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